緊急事態宣言解除とともに消えたテレワーク。企業の意識は変えられない?

新型コロナの感染拡大は一旦下火になったものの、緊急事態宣言の解除以降、徐々に陽性患者が増加しはじめ、8月1日には、東京だけで472人を記録しており、緊急事態宣言前よりも状況は悪化の一途を辿っています。

9月に入っても経済との兼ね合いもあり、中々感染者数は下がらない状況です。

4月7日に緊急事態宣言が発出されて、5月25日に解除されるまでは、業種によってはその前後も含めて非常に厳しい状況を強いられています。

会社員は、その間テレワークという日本では中々普及しなかった仕組みが一気に広がり、それまで制度として利用していなかった会社も勢いであるいは渋々とテレワークを行っていました。

しかしながら、「新型コロナの感染拡大と関係なくテレワークの制度を利用していた会社」と「政府の動向に従って緊急事態宣言ということでテレワークをしていた会社」の間の意識の隔たりは非常に大きいものがあります。

7月に入って以降は新型コロナの感染拡大が止まらない状況です。若者の無症状感染者が増加の要因だと言われても、通勤電車を使わないといけない40代半ば過ぎの中年にとっては、感染すれば、無症状では済まない可能性が高いわけであり、テレワーク出来るか否かは死活問題です。

何故多くの企業が緊急事態宣言の解除とともにテレワークをやめてしまったのでしょうか?身近な事例をもとに考察してみます。

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売り上げに影響する?

コロナ禍の現在は、その影響を受けている業界に関してはテレワークをしようがしまいが業績にはほとんど関係ないはずです。

特にテレワークが可能な業界、職種であれば、それによる業績の変動はほぼありません。少なくても自社ではないという状況です。

しかしながら、「やってる感」を出したい上層部はいつも以上に出社して売り上げ回復に努めている感じを求めてきます。

何事も数値化して分析することをしなければ、売上の減少を全てコロナのせいにして終わりかもしれません。

本当のリスクは、コロナ禍で変容するクライアントの動きをキャッチ出来ずに変われないままビジネスチャンスを逃していくことです。

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社員を信用していない

テレワークはサボっているという前提に立っていると中々制度として定着しませんね。

在席管理ツールで在席と離席を細かくチェックし、ツールを入れたPCでは画面キャプチャ―を取らされていますが何の意味があるのか甚だ疑問です。

テレワークの前日には業務計画書、業務終了後には業務報告書の提出が義務付けられていますが、出社していても管理職として課員を四六時中監視していないので、テレワーク時だけこういったものを課すのはまさに社員を信用していない、時間管理だけの考え方であり残念ですね。

こういった機に、成果主義に変えれば、PCの前にいて「やってる感」を出せば仕事になるという発想から脱却できます。

出社しないと仕事が成立しない

少なからず出社していないと間が持たない社員がいるようです。

特にテレワークに反対している上層部を中心に多いのですが、普段は周りから設定される多種多様な無駄な会議に顔をだし、最後に実のないコメントを出して「やってる感」で満足しています。

しかしながら、テレワークになると、会議の無駄が洗い出されませんか?行間を埋めるような空気がなくなり、身のない発言は淘汰されていきます。

上司の顔色をうかがう必要もなく、その会議に本当に必要な人材だけの場となってきています。

テレワークで居場所がなくなる

管理職であろうと一般職であろうと、日々のタスク、月次のタスク、色々とやるべきことがあるはずですが、実際にはそれほど仕事がない社員も実はいます。

仕優秀な社員に仕事が集中することはどこの会社でもありがちですが、普段大変な社員はテレワークになっても課題形成しながら自身のタスクをこなしていきます。

むしろ通勤の往復時間とそこで消費する体力を考えたら、仕事の出来る社員にとってはテレワークでも居場所がないなんてことはありえません。

テレワークを否定していたことに対して引っ込みがつかない

コロナ禍になるまでは、テレワークは小さい子供と介護する家族がいる社員だけの特別なものという思い込みがあり、今後拡大していくつもりがないと言い切っていた総務部長がいましたが、感染症対策でのテレワーク運用開始後は率先してテレワークをしています。

一度同じWeb会議に参加した時もしばらくしてから遅れて入ってきました。時間に対する意識もITリテラシーも低いとこうなるのですが、本人たちはテレワークを否定していたことは本気で忘れていそうです。

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テレワークへの考え方は今後を図る一つの指針

今はコロナ禍の中にあって、テレワークに対しての各企業の評価も固まっていないかもしれませんが、コロナ禍で学べることを素直に取り入れられる会社であってほしいと思っています。

自分の会社に未来はあるか悩んでいませんか。コロナ禍で見えた経営方針や社員への対応で不安を感じている方は是非チェックしてみてください。

  • テレワークが出来る環境にインフラ投資しましたか?
  • 電子化できるワークフローを検討しましたか?
  • テレワークの制度がありますか、あるいは作りましたか?

変化できるところ、変えられないところを見極めて将来を考えないと消える会社に分類されます。

消える方に合致していれば転職を視野に入れながら働いてもいいと思います。しかしコロナ禍の状況なので、落ち着いて損のないように次の仕事が確実に決まるまでは今まで通り働いておけばいいのです。

不況であっても不満があっても短気にならずに自分のベストな選択をするよう心掛けたいですね。

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